みなさんこんにちは、JcarmagazineのJです。
この記事では、巷でよく言われているボルボ・XC40(Rechargeモデル以外)の燃費の悪さについて、実際のところどうなのかを解説していきたいと思います。
ボルボ・XC40は燃費が悪いの?
ボルボ・X40のカタログ燃費
ボルボ・XC40のカタログ燃費は以下のようになっています。
モデル名 | 燃料種類 | 燃費 |
T4モデル | ハイオク | 13.6km/L(JC08) |
T5モデル | ハイオク | 12.4km/L(JC08) |
B3モデル | ハイオク(マイルドハイブリッド) | 14.8km/L(WLTC) |
B4モデル(7速DCTモデル) | ハイオク(マイルドハイブリッド) | 14.2km/L(WLTC) |
B4モデル(8速ATモデル) | ハイオク(マイルドハイブリッド) | 12.5km/L(WLTC) |
B5モデル | ハイオク(マイルドハイブリッド) | 12.8km/L(WLTC) |
マイルドハイブリッド機構がついていないT4・T5については、発売時期も少し前のためWLTCモードでの数値がなかったのですが、マイルドハイブリッド化されたBとつくモデルの方が燃費がよくなっています。
ただし、この表からも分かるように、ボルボのマイルドハイブリッドはかなり補助的なハイブリッド機構になっており、よく欧州車がこの手の車種に使うISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を搭載したハイブリッド機構となっているので、燃費に大きく貢献しているわけではありません。
回生ブレーキによる電気チャージがある分ハイオクモデルよりは良くなっていますが、あくまで補助的といった感じでしょう。
ボルボ・X40の燃費は実際悪いのか?
では、この燃費は悪いのでしょうか。
対抗馬として、サイズと価格が近いBMWのX1の燃費を見てみましょう。
モデル名 | 燃料種類 | 燃費 |
x drive 20iモデル | ハイオク | 12.9km/L(WLTC) |
x drive 20dモデル | ディーゼル | 19.5km/L(WLTC) |
X1はディーゼルモデルの燃費が異様に高いですが、同じくハイオク仕様を見ると、XC40の燃費とほぼ同じということがわかります。
このサイズのSUVでパワーのあるハイオク仕様ともなると、XC40が特別燃費が悪いわけではなく、妥当な燃費と言えるでしょう。
ボルボ・XC40の実燃費は?
カタログ燃費はわかったけど、実際のところ燃費はどうなのよ?という方もいると思うので、実燃費についても見ていきたいと思います。
車のSNS「みんカラ」の統計によると、オーナーさんの申告している実燃費の平均は10.49km/Lという結果になっています。
もちろんマイルドハイブリッド機構がついているか否かで実燃費は変わってくると思いますが、正直1〜2km/L程度しか変わらないので、大体どのモデルもこのくらいの数値だと言えるでしょう。
確かに、そもそも燃料代の高いハイオク仕様で10.49km/Lしか走らないと、燃費が良いとはお世辞にも言えないでしょう。
やはり、プレミアムブランドのSUVともなると燃費は諦めざるを得ないですね。
ただし、こういったプレミアムブランドのSUVは燃費を犠牲にしている代わりに、燃費がいい国産車などとは違った魅力(ハンドリングや剛性、内装の質etc)が詰まっているので、その車が好きならつべこべ言わずに乗りましょう笑
ボルボ・XC40の燃費はなぜ悪いのか?
では、なぜハイブリッドモデルであるにもかかわらず燃費が悪いと言われてしまうのか。その理由をそれぞれ解説していきます。
cd値が高い(空気抵抗を受けやすい)
XC40は全幅1875mm×全高1650mm×全長4440mmと、全長こそ短いコンパクトSUVですが、全幅がかなり大きく、SUVのため全高も高いです。
そのため、いうまでもなくcd値が高くなってしまい、走行中に受ける空気抵抗が一般的な燃費が良い車に比べて大きいです。
これはEVモデルであるRechargeモデルでもよく問題として挙げられていて、cd値が重要視されているEV業界ではこれが原因で電費及び航続可能距離が少なくなってしまっています。
そのため、ハイオク仕様でも同様に燃費が悪くなる原因になっていると言えるでしょう。
サイズの割に重量が重い
XC40はコンパクトSUVですが、重量が約1700kgあります。と言われてもこれが重いのかどうかはよくわからないですよね。
比較対象として、国産のSUVでストロングハイブリッド車であるホンダ・ZRVのeHEV Z(4WD)グレードの数値を見ていきます。
全幅 | 1840mm |
全長 | 4570mm |
全高 | 1620mm |
車両重量 | 1630kg |
エンジン | 2L直4 |
燃費 | 21.5km/L(WLTC) |
サイズ感が似通っていて、一番重いグレードであるeHEV Zの四駆モデルのため比較対象にしました。
この数値を見て分かるように、マイルドハイブリッドよりもバッテリー容量が大きく重量物があるホンダのZRVですが、それでもXC40の重量よりもほぼ100kg近く軽いです。
しかもエンジンも同じ2リッターの直列4気筒です。
確かに、ハイオク仕様とレギュラー仕様で差はありますが、ここまでサイズ感が近い国産車に対して、重量が重いということは、それほど燃費に悪影響を与えてしまうということになります。
ストロングハイブリッドのように大容量バッテリーからの出力でモーター走行できるのであればまだしも、あくまでISGによる補助的なモーターしか持たないボルボではこの重量差はかなり燃費に悪い要因と言えるでしょう。
マイルドハイブリッド
先ほどからも何度も出ている「マイルドハイブリッド」。
そもそもマイルドハイブリッドってなに?と思っている方もいるかと思うので一応説明しておくと、簡単に言えば弱いハイブリッドということになります。
普通のハイブリッドと何が違うかというと、普通のハイブリッドいわゆるストロングハイブリッドは、PHEVほどではないにせよ、そこそこ大きなバッテリーを積んでいます。そして、走行しながら、このモーターに電気を溜めて、さらにはモーターのみでの駆動も行えるというものになっているのですが、マイルドハイブリッドの場合は基本的にモーターのみでの走行(俗に言うEVモード)ができません。(できるのもあります。)
特に欧州車でよく使われている48Vハイブリッドというのは、ほとんどがISGと呼ばれるエンジンのアシスト専用のモーターを48Vの電源を使って動かそうという仕組みのものになっています。
もちろん回生ブレーキやエンジンのみでの走行中に電気を貯めることは可能ですが、その貯めた電気を使ってモーターだけで駆動するというのはできません。
あくまでも、低速時などのエンジンの苦手な速度域(燃料の割に出力がでない速度域のこと)で滑らかに発進したり、エンジンの出力を補って燃料の使用を抑制する役割程度のものになっています。
そのため、国産車などのストロングハイブリッドを採用する車に対して燃費が悪くなってしまうという結果になっています。
ハイオク仕様のエンジンのため
ハイオク仕様のエンジンというのは、ノッキングが少ない高オクタン価のガソリンを使用することを前提とした高出力・高トルクを得るためのエンジンになっています。
同じ排気量でもハイオク仕様のエンジンになると、パワーもトルクも出るようになるので、高級車ではお馴染みの仕様となっています。
しかし、パワーが上がるということはその分燃料も使うということになります。
レギュラー仕様が基本の国産車などのハイブリッド車に燃費で差をつけられてしまうのも納得というわけです。
ボルボ・XC40で燃費を良くする方法は?
それでは最後に、ボルボ・XC40で少しでも燃費を挙げるための方法について解説していきます。
空気抵抗を増やすアクセサリーをつけない
まずこれが一番大事と思われますが、空気抵抗は燃費を悪化させる原因でもかなり影響があります。
そのため、純正の状態からさらに空気抵抗が悪くなってしまうアクセサリー(ルーフレールやキャリー等)を極力つけないことが燃費を良くする上では望ましいです。
もちろんキャンプにたくさん行ったり、アウトドアでガンガン使うためにSUVにしてるんだ!という方はこういったアクセサリーはとても魅力的なもので、つけない選択肢がないと思いますが、街乗りやちょっとしたお出かけや旅行程度での用途に留まる方は一切つけないことをお勧めします。
SUVっぽくて見た目がカッコよくなるアクセサリーという面もあるので悩ましい方もいると思いますが、使わないものはできるだけつけない方が圧倒的に経済的ですので、そこは冷静に判断して選択をしてみてください。
ブレーキペダルを極力使わない運転をする
また、これも燃費に大きく寄与する部分で、運転の仕方になります。
車ごとに一番燃費が稼げる走り方みたいなものがあると思いますが、結局のところ、ブレーキを使わないのが最も効果的です。
車は加速する時にエンジンからエネルギーを生み出して、減速する時にその高いエネルギーは何かに変換をして速度を落としています。
その減速時に変換するエネルギーが、ブレーキによって熱エネルギーとして放出するのか、バッテリーの充電に使うのかでは大きくエネルギー効率が異なります。
高速道路を多用する
続いて、これもよく燃費を稼ぐ手段として言われている、高速道路を多用する、です。
内燃機関車というのは、ガソリンを燃やしてピストンを動かし、その回転を利用してタイヤを動かしています。
そして、エンジンからの出力をそのまま伝えるのではなく、ギアを通して伝えています。
自転車をイメージしてもらうとわかりやすいのですが、自転車のギアは、低いギアほど軽く(パワーが出やすい)、高いギアほど重い(速度が速くなる)はずです。そして、自転車のスピードが速くなればなるほど、重いギアにしても軽い力で速度を維持することができるようになります。
これは車も同じで、高速走行時は、高速時は高いギアで走行し、エンジンからの出力は少なく運行ができています。エンジンからの出力が少ないということは使用しているガソリンの量も少ないです。
そして、その少ないガソリンで時速100km近くを出せば、少ないガソリンで遠くまで走ることができるので、必然的に燃費が良くなります。
ただし、車はスピードが上がるほど受ける空気抵抗も大きくなってきますので、大体時速100kmくらいが燃費がいいラインと言えるでしょう。
荷物を載せすぎない
なぜ燃費が悪いのか、でも触れましたが、基本的に車両重量が増えると燃費は悪化します。
そのため、もともと車両重量が重いXC40にさらに荷物をたくさん載せてしまうと、多少だとは思いますが燃費は悪くなります。
なのでこちらについては、燃費を良くするというよりは、もともとのポテンシャルを下げないための対策として取り上げました。
ボルボ・XC40は燃費は悪いが、同クラスと比較すると妥当な燃費
ボルボ・XC40はお世辞にも燃費が良い車とは言えませんが、それでも同クラス帯のBMW・X1などと比較してもそれほど悪い燃費とは言えないことがわかりました。
車の魅力は燃費だけではなく、エクステリアやインテリアの質感、走行性能、快適装備やインフォテイメントシステムの良し悪しなど、総合的にみて判断するものです。
ボルボ・XC40を購入したくて迷っている方は、きっと燃費以外の魅力にたくさん惚れ込んでいるはずです。
燃費はあくまでもおまけ程度と考えて、自分が好きな部分にたくさん目を向けてみても良いのではないでしょうか。
ぜひ、直接みて触って運転して、XC40の魅力に触れてみてください!
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